トルコ人女性は、とても指先が器用だ。
家に行くと必ずといって良いほど、至る所にレース編みが飾られている。
普段頭に被るスカーフ"yazma(ヤズマ)"も、レース編みで縁取られ、タオルやバスタオルの端までレース編みで飾られている。
このレース編み。
もちろん、全て手作り。
女の子は小さい頃から、このレース編みを教えられ、結婚するときの引き出物にも必ずと言っていいほど手作りのレース編みが登場する。
その目の細かさといったら。
日本で同じレース糸や編み針を買い求めようとしても、こんな細いのは日本で取り扱っているところはないと言われたほどだ。
もちろん目の粗いものもある。
でも、細かいものになるとアイロンなんてかけなくてもピシッと張りがあり、かつ繊細な表情を残している。
一種の芸術品である。
デザインもいろいろ。
本を見るのではなく、それぞれに独特なデザインがあって、お互いに教え合ったり、モデルを見ながら自分でアレンジしたり。
いろんなバリエーションを楽しみながら、編んでいる。
毎日毎日少しずつ編み続け、徐々に長くなっていくレース編みは、きっとその女性の生きてきた時間を一番よく知っているに違いない。
日本に帰って、頂いたレース編みを見るたびに、そんな感傷に浸りつつ、遠きトルコへの想いを馳せる。
店のテーブルクロスの上にかかっているのが、その、レースを縁取った薄いスカーフ ”ヤズマ”。
親戚の女の子がひと針ひと針丁寧に心を込めて編みあげた、すてきなトルコの贈り物です。
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