チェイズ
チェイズ。
いわゆる、引き出物のことである。
 
日本では、結婚式に出席した人全員が、披露宴会場でもらうのが一般的である。
 
でも、トルコではちょっと違う。
そもそもトルコの結婚式は、親戚はもちろん、友達から隣近所の人たち全て総出でやってくるので、全員に渡すなんてとうてい無理な話なのだ。(いくつあっても足りないし、そもそも、一体何人来るかはその時になってみないと分からない)
 
というわけで、親戚にだけ後日改めて手渡してくれる。
 
このチェイズ、たいてい刺繍入りの薄い風呂敷のような物にくるんで、端をピンで留めた物をくれる。
 
さて。一体中身はなんだろう?
 
まずは、レース編みの小さい敷物が数枚。
そして、バスタオルやタオル。これも端をレース編みで飾ってある。
それから、これまたレース編みで周囲を縁取ったスカーフ ”ヤズマ”。
トルコ人が体を洗うときに使う、ハンカチサイズの毛糸の編み物”リフ”。
 
大抵これくらいの物は、必ずといって良い程入っている。
 
それから、あとはあげる人の重要性によって、下着やハンカチが入っていたり、枕カバーやお祈り用の小さな敷物が入っていたりと様々である。
 
実はこのチェイズ、引き出物といっても新婦からの贈り物で、編み物や、カバー類の刺繍は、全て新婦自身の手作りである。
レース編みのデザインなんかもその人独自の物があったりして、開けるときも皆興味津々だ。
 
だが、しかし。
 
これだけの物を手作りしようと思えば、ものすごく手間暇かかるし、そもそも人にあげられるような物が出来るようになるには、それなりに数をこなしていなければ出来ない。
だから、女の子達は、必ず小さい頃からこういった手芸を母親から習い、当たり前のようにこういった物を作ることを覚える。
そうして、娘さん達はお年頃になってくると、結婚が決まる前から、こういった物を少しずつ作ってはためておくのだ。
 
もらう側としても、実用的、かつ手作りの温かみの込められた、とてもうれしい贈り物だ。
更新日時:
2004/02/29

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